側弯症と生活習慣の関係について、私たちの研究から見えてきたこと
- ノージャンル
側弯症、とりわけ思春期に発症する特発性側弯症は、「なぜ起きるのか」がはっきりしない病気のひとつです。背骨がねじれるように曲がるこの疾患は、見た目の変化だけでなく、進行すると身体機能にも影響を及ぼすことがあるため、早期発見と適切な理解がとても大切です。
これまで、リュックや寝る姿勢、睡眠時間など、日常の生活習慣が原因ではないかと心配されるご家族の声を多く耳にしてきました。そこで私たちは約2,600人の中学生の協力のもと、生活習慣と側弯症との関係を大規模に調査しました。
その結果、多くの生活習慣(鞄の種類や重さ、寝る姿勢、睡眠時間、食生活など)は、側弯症の発症と明確な関連がないことがわかりました。一方で、クラシックバレエに関しては、発症との関係がみられる可能性がありました。特に幼少期から長時間練習をしているケースでは、注意が必要だと考えています。
この研究から私たちが強く感じたのは、「誤った情報によってご家族が不安を抱えないようにすること」が医療者としての大切な役割だということです。生活の中で“何か悪いことをしてしまったのでは”という思いを抱かずに、安心して日々を過ごしていただけるよう、これからも正しい知識と丁寧な説明を届けていきたいと思っています。
今後は遺伝的要因と生活環境の関係についてもさらに研究を進め、治療だけでなく、予防や理解の面でも皆さまの支えとなれるよう努力を続けてまいります。
変形は「進行する前」から始まっている
病状による身体の変化は、骨などが大きく壊れてから起きると思われがちですが、実はもっと早い段階で、腫れや痛みによって周囲の組織(靭帯や筋肉など)のバランスが崩れることが原因になります。 この「バランスの崩れ」が、時間とともに形や動きに大きな影響を与えてしまうのです。
「再建」だけじゃない、温存を目指す治療
状態が進行してしまった場合は、人工物等による再建が選択肢になりますが、まだ組織自体が保たれている段階では、「機能再建術」という方法が有効です。 これは、身体のバランスを整え直すことで、ゆがみを本来の位置に戻し、自然な動きを取り戻すことを目指す方法です。
大切なのは「早めの気づき」と「早めの対処」
最近では、新しいお薬の登場により、病状の進行を抑える治療効果が高まっています。 その結果、大きな手術が必要なほど進行する患者様は少なくなっていますが、逆に「今なら機能を温存できる」ケースが増えてきているとも言えます。
ある程度までなら矯正や維持が可能ですが、組織が硬くなり固まってしまうと、治療の選択肢が限られてしまいます。 だからこそ、違和感に気づいたら、早めにご相談いただきたいのです。
身体は、日常を支える「あなたのパートナー」
身体の機能は、日々の生活に欠かせない存在であり、あなたの「自分らしさ」を表すものでもあります。 私たちは、「動く、使える、美しい」状態を目指して、患者様一人ひとりに合った治療を行っています。 痛みや使いづらさに悩んでいらっしゃる方がいれば、どうぞ一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
Blog
私は脊椎外科を専門として、脊椎疾患全般の治療を行ってきました。その中でも最も力を入れているのが、脊柱側弯症と腰部脊柱管狭窄症です。
現在、慶應義塾大学病院においては安心で安全な診療、そして積みかさなる検証と実証により培われた医療を提供すべく小児科、小児外科、臨床遺伝学センター、麻酔科と密に情報共有し連携しながら診療を行っております。
腰部脊柱管狭窄症は高齢になると増えてくる疾患です。私は棘突起縦割式椎弓切除術を用いて、低侵襲でかつ安全な手術を心掛けて、多くの患者様の生活の質の向上を目指しております。
私は脊椎外科を専門として、脊椎疾患全般の治療を行ってきました。その中でも最も力を入れているのが、脊柱側弯症と腰部脊柱管狭窄症です。
現在、慶應義塾大学病院においては安心で安全な診療、そして積みかさなる検証と実証により培われた医療を提供すべく小児科、小児外科、臨床遺伝学センター、麻酔科と密に情報共有し連携しながら診療を行っております。
腰部脊柱管狭窄症は高齢になると増えてくる疾患です。私は棘突起縦割式椎弓切除術を用いて、低侵襲でかつ安全な手術を心掛けて、多くの患者様の生活の質の向上を目指しております。