難治性脊柱変形例への挑戦|第51回日本脊椎脊髄病学会学術集会
- 専門
難治性脊柱変形例への挑戦
2022年に開催された「第51回日本脊椎脊髄病学会学術集会」に参加し、多くの先生方と「難治性脊柱変形」に関する議論を交わす機会がありました。学会を通じて、現在の課題とこれからの展望をあらためて強く実感しました。今回は、日々の診療の中でも特に難しいと感じる「難治性脊柱変形」への取り組みについて、患者さんにもわかりやすくお伝えしたいと思います。
脊柱の変形にはさまざまなタイプがありますが、中でも「早期発症側弯症」「思春期側弯症」「成人脊柱変形」は、それぞれ異なる背景や治療の工夫が必要です。
たとえば、早期発症側弯症は9歳未満で始まり、まだ成長が続く中での治療となるため、背骨の伸びを妨げずに変形を抑える工夫が求められます。磁気で操作できるロッドなど、新しい治療法の登場で改善は見られるものの、骨の形が特殊だったり、肋骨の一部がないようなケースでは、依然として難しさがあります。
一方で、思春期側弯症に対しては、手術技術やインプラントの進歩により、以前よりも安心して手術を受けられるようになってきました。さらに、脊柱の柔軟性を保ちながら矯正する「テザリング」という新しい技術も、今後の可能性として注目されています。
また、高齢化社会において急増しているのが成人脊柱変形です。再手術が必要な例や、骨粗しょう症、神経の病気を合併している方など、治療には慎重な判断が必要なケースも少なくありません。術後の合併症やインプラントの破損を防ぐためにも、骨の質を改善する薬や、手術方法の進化が今後の鍵となります。
学会では、「これらの難治例をどうしたら“難治”ではなくできるか」という視点で多くの報告がありました。私自身も、研究と診療の両面から、このテーマに真正面から向き合っていきたいとあらためて感じました。
脊柱の変形は早期発見と適切な治療、そして患者さんやご家族との信頼関係が大切です。未来には「難治」という言葉が過去のものとなるよう、私たちも前進し続けます。
Blog
私は脊椎外科を専門として、脊椎疾患全般の治療を行ってきました。その中でも最も力を入れているのが、脊柱側弯症と腰部脊柱管狭窄症です。
現在、慶應義塾大学病院においては安心で安全な診療、そして積みかさなる検証と実証により培われた医療を提供すべく小児科、小児外科、臨床遺伝学センター、麻酔科と密に情報共有し連携しながら診療を行っております。
腰部脊柱管狭窄症は高齢になると増えてくる疾患です。私は棘突起縦割式椎弓切除術を用いて、低侵襲でかつ安全な手術を心掛けて、多くの患者様の生活の質の向上を目指しております。
私は脊椎外科を専門として、脊椎疾患全般の治療を行ってきました。その中でも最も力を入れているのが、脊柱側弯症と腰部脊柱管狭窄症です。
現在、慶應義塾大学病院においては安心で安全な診療、そして積みかさなる検証と実証により培われた医療を提供すべく小児科、小児外科、臨床遺伝学センター、麻酔科と密に情報共有し連携しながら診療を行っております。
腰部脊柱管狭窄症は高齢になると増えてくる疾患です。私は棘突起縦割式椎弓切除術を用いて、低侵襲でかつ安全な手術を心掛けて、多くの患者様の生活の質の向上を目指しております。